[いぬのせなか座叢書6]
https://inunosenakaza.com/book/20231127
きっとしかしその通りなのだろう
歩んだ先から足跡を否定する音
手のひらたちの蜂起 / 法規
当然の帰結としてではなく
影あのように立ちあがって
空を削って燃やす
底を打って浮かび上がってくるの波浪
振り返ると法が現れる
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いぬのせなか座叢書第6弾。一切のプロフィールを明かしておらず作品の発表歴も無い、まったく無名の新人による第一詩集。
収録されている詩には一切タイトルがなく、縦書きと横書きが混在し、視覚詩や短歌連作のような特殊なレイアウトのページもある。一行ごとに同語反復めく貧しい論理を形作りながら、それでいて読み進めると、特異な身体感覚も喚起されていく。
高度に抽象的な記述があったかと思えば、一方で動物たちや言葉遊びをめぐる記述も連なる。そうして生まれる奇妙な事物同士の写し合い、にこやかな抒情は、詩歌の読者や作り手はもちろんのこと、ダンスや演劇、美術などに関わるひとにも強く響くだろう。
詩篇の並び順は、いぬのせなか座第1期メンバーで詩人の鈴木一平と主宰の山本浩貴が編集・構成。デザインは、同じくいぬのせなか座の山本浩貴とhが担当。叢書第3弾『光と私語』と同様のプラスチックカバーで、しかしこの詩集ならではの仕掛けがいくつも施されている。
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発行:いぬのせなか座
発売日:2023年11月27日
判型:210mm×90mm 64ページ
造本:無線綴じ プラスチックカバー
編集:山本浩貴+鈴木一平
装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h
価格:2,300円(税込)