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多くの「文章術」が巷にあふれる昨今、なぜひとは文章を読み書くのか。
「読み書き能力」の現在に向けて何ができるのか。ありうる「10日間で作文を上手にする方法」とはどのようなものなのか。
歴史を振り返り、現状の制度やデータを確認し、徐々に明確になっていく方向性に自ら絶望しながら、それでも進んでいく議論は「テキスト品質評価指標」の作成へとたどり着く。10日間という日数を超えながら……
2023年11月に刊行され話題をよんだ『10日間で作文を上手にする方法 Day1-Day6』、待望の続編。
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本文より
《昨日まで僕たちはこう考えていた。基本無料の「文章術」が書かれては消えるインターネットで、低品質なテキストが低賃金で量産された時代は終わるだろうか。大手IT企業がSNSの安全対策と生成AIの開発競争に注力する前から、リテラシー(読み書き能力)の向上は国際課題でもあった。サービス産業化と高齢化が進むこの国では、少なくとも約2,700万人が「書く仕事」に就き、約3,000万人がもう/まだ「書けないひと」かもしれない。「若者の読書離れ」よりも「勉強ぎらいの大人」を減らすべきではないか。だけど、日々をしぶとく生きるのに忙しい大人たちが、加齢とともに衰える「リテラシー」を鍛えなおしたいと痛感したとき、わずか「10日間」(≒文庫本5冊)で何ができるだろう? この問いは、粗だらけの現実を拾い集めて夢見る方法――空想的リアリズムの実践だ。》
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目次
7 バカにされない「書き方」の勉強法を?
8 疲れきった日本語教育の需給ギャップ
9 作文練習法の基本要件
10 じぶんにぴったりな言葉はなぜ「重い」のか
11 現代の文化批評は千年後も使えるか
12 あなたの文章をより良くする4つの考え方
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著者
笠井康平(かさい・こうへい)
1988年生まれ。「作家の手帖」編集長。著書に『私的なものへの配慮No.3』(いぬのせなか座)。近著に「文化芸術の経済統計枠組みはいかにしてテキスト品質評価指標体系の開発計画に役立つのか」(『早稲田文学』2020年冬号)、「現代短歌のテキストマイニング――𠮷田恭大『光と私語』(いぬのせなか座)を題材に」、「場所(Spaces)」(早川書房『異常論文』所収、共著者:樋口恭介)。
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A5判型・56ページ
発行:いぬのせなか座
編集:山本浩貴(いぬのせなか座)
デザイン:山本浩貴+h(いぬのせなか座)
発行日:2024年5月19日
イラスト:おりがみたろう Twitter(X):@tsuruoremasenn